no. 14 “I suspect that~”
「~(否定的な事案)ではないかと思う」

100%ネイティブの英語

100%ネイティブの英語 no. 14
“I suspect that ~”
「~(否定的な事案)ではないかと思う」

まず始めに,英語を母国語としない人が書いた文章を自然な英語に書き直してほしいとネイティブにお願いした時に,作業後にもらったメッセージをご紹介いたします。

“I have tried my best to make this intelligible, but I suspect many issues remain”.
「できるだけわかりやすくしたつもりですが,多くの問題が残っていると思います」

ビジネスの上で,一時的に「問題が多く残っている」状態になることはよくあると思います。
表現としては上記のように“Many issues remain”などの言い方がされますが、ここで私が注目したいのは“I suspect~”「~を疑う」の使い方です。
単に“Many issues remain”だけでも伝えたい情報は伝わるのに,“I suspect~”とするのはなぜでしょうか。

「~を疑う」という意味の代表的な英単語は“doubt”“suspect”ですよね。
この2つはどちらも「疑う」ではありますが,意味が真逆に近いので使い方に注意が必要です。

たとえば
“I doubt/suspect that he can do it”とあった場合,

“I doubt ~”は「彼にはできないんじゃないかと思う」
※~(that以下)だということ自体を疑っている→実際はそれはないと考えている,否定的

“I suspect ~”は「彼ならできるんじゃないかと思う」
※~(that以下)なのではないかと疑っている→その可能性があると考えている,肯定的

簡単に言うと,that以下を否定したい時は“doubt”で,that以下を肯定したい時(否定しきれないと思った時)は“suspect”と考えていいように思います。

最初に紹介したネイティブからのメッセージの後半を“I doubt that many issues remain”としてしまったら,“many issues remain”自体を嘘だと疑っていることになり,このネイティブは「多くの問題が残っているということはない」→「多くの問題はもう残っていない」と考えていることになってしまうので,ここでの「疑う」に“doubt”は使えません。

問題のないように修正するのがこの時のネイティブの仕事だったので、「問題が残っている」と言い切りたくなくて、自分にできることはすべてやったけれど、それでもまだ100%完璧に修正できたとは言い切れない気持ちを“I suspect”で表現してくれたのかもしれません。

また,日本語と同様に「~です」と直接的に何かをストレートに言うよりも,「~だと思われる(~が疑われる)」と少し遠回しの表現を使うのは,ビジネス上は英語でも同じだと思います。
そういう意味では,限りなく100%そうだと思っていても,「多くの問題が残っています」と断言するのではなく,「多くの問題が残っているのではないかと疑っています」→「多くの問題が残っていると思われます」と書いた方が表現が柔らかく豊かな印象を与えます。

“suspect”する内容は,文法上はポジティブなことでもネガティブなことでもOKのようですが,実際はネガティブな内容を“suspect”するほうが一般的な使われ方だと思います。
訳語としては「~を疑う」は忘れて,「~ではないかと思う」と言い換えれば自然な文章として受け止められるのではないでしょうか。

単に“Many issues remain”と言い切るのではなく,“I supect~”をうまく使いこなせれば,感情表現の幅が広がると思います。

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