普段の英会話で“refer to” をお使いになっている方はどのくらいおられるでしょうか。
辞書で引くと「~を参照する」がまず1番に出ている場合が多く,この意味だけで使用例を思い浮かべる限り,日常生活ではそれほど必要のない表現ですよね。
確かに「~を参照する」という意味だけで考えると,あまり使わないのですが,私は「~を指す」とか「~について話す」という意味で,けっこう多くのネイティブが使っているのを目にします。
私なんぞは,使ったほうがちょっと英語上級者な気分になるとさえ思っています。
たとえば、過去の研究成果と現在の研究成果についてまとめた英語の文書内で,過去と現在のどっちの研究について言っているのか不明瞭な箇所に,ネイティブがつけたコメントはこんな感じ。
”It’s not totally clear whether you are referring to a previous study or the present one”.
「あなたが前の研究の話をしているのか,現在の研究の話をしているのか,はっきりしません」
“Unfortunately the English is too obscure here for my understanding. Also it is unclear which study is being referred to”.
「残念ながら、ここの英語がわかりにくく私では理解できません。また、どっちの研究の話をしているのかも不明瞭です」
ついでながら、“refer to”が使われたコメントの直前のコメントも一緒にご紹介しました。
あたまに“Unfortunately”「残念ながら」をつけるのもよくあります。このようなひと事をつけるだけで、なんとなく文章がやわらかくなりますので、活用したいですよね。
英語力不足で,意味不明な文章だったのに、”the English”を主語にすることで、文書の作成者を直接攻撃することなく,理解できないことを伝えてくれています。
これらのコメントの“refer to”の使用例に辞書に出ている訳語を当てはめるなら,「~に言及する」になると思いますが,日本語訳としては,「~について話す」または「~を指す」がぴったりくると思っています。
では「~について話す」「~を指す」の意味でのネイティブの使用例をいくつかご紹介いたします。
“Which study is being referred to here?”
「ここではどっちの研究の話をしているのですか?」
“Are you referring to Japan or England?”
「日本とイングランドのどっちの話ですか?」
“To what does this refer?”
「これは何を指しているのですか?」
“It is not clear what these figures refer to.”
「これらの図が何を指しているのかはっきりしません」
「~について話す」といえば,“talk about ~”を思い浮かべる人も多いかもしれません。
私も会話でよく使う表現ですが、「~を話題にする」とか「~のウワサ話をする」など,日常のおしゃべりの中でしっくりくる表現じゃないかと思います。
アメリカのドラマなどで,友人同士の会話の中で,“What are you taling about?”と目をまん丸にしながら言っているのを見たことありませんか。
これは言葉通りに何の話をしているのか全くつかめなくて,「いったい何の話?」と聞いている場合もあれば,トンチンカンな的外れな発言を受けて,「何バカなことを言ってるの?」とあきれて言う場合もあります。
いずれにしても,ビジネス上での事項について話をする際には,“refer to”を使ったほうが無難だと思われます。
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