no. 25 “possibility”「可能性」よりはむしろ「やれること」

100%ネイティブの英語

100%ネイティブの英語 no. 25
“possibility”
「可能性」よりはむしろ「やれること」

英語学習で辞書は必需品ですが,ニュアンスではなく,記載されている訳語だけを覚えてしまうと,実践で上手に使えないことがあるように思います。

私にとって、そのような単語のひとつが“possibility”です。

possibility”を辞書でひくと,「可能性」という訳語が出てきて,“possibility”を使った例文を見ても,「可能性」という日本語訳が当てはまるような硬い文章が多いのが目につきます。
でも実はもっと使いやすい単語だと思うのです。

ネイティブが使う“possibility”に単純に日本語訳の「可能性」を当てはめても,なんかしっくりこないことが多いです。
たとえば,文脈をわかってもらうために,ちょっと長めのコメントですが,ご紹介します。

”The word ‘developed’ appears twice in this sentence. If possible, this should be avoided. Please use an alternative word. One possibility would be the word ‘improved’ ”.
「”developed”という言葉がこの文章内で2回使われていますが,できれば避けた方がいいです。代わりの言葉を使ってください。候補として”improved”を使うのはどうでしょうか」

※同じ単語を繰り返して使うのをネイティブは非常に嫌がります。意味は同じでも必ず違う単語を使うよう指示されます。

私は上記の“possibility”を「良い候補」という意味合いで訳しましたが,ネイティブのこのような使い方を見ていて,“possibility”はすごく便利な単語だと気づきました。
たとえば何か懸案事項があって,解決策を探っている時に,「手だてがあるとしたら~じゃない?」とか,「実現できる方法は~です」といった意味合いで,上記のネイティブのコメントのように,“One possibility would be~”というフレーズが便利に使えると思うのですが,どうでしょうか?

“possibility”の意味は直訳すると確かに「可能性」なんだと思いますが,硬い文章ばかりではなく,もっと日常的に柔軟に使える単語だと思います。
逆にこのコメントに「可能性」を当てはめて,「一つの可能性は”improved”という言葉ではないでしょうか」と訳すと,あまり自然な日本語ではないですよね。

“possibility”という名詞だけではなく,“possible”という形容詞も同様に使えます。
ある時,ネイティブが文章の修正案を書いてくれて,こうコメントが付けられていました。
“The following might be a possible rewrite”

「次に書いたのが修正案です」
※「かもしれない」の“might be”があるので,断定ではなく,提案している感じですね。

“possible rewrite”は直訳すると「可能性のある書き直し」ですが,シンプルに「修正案」と訳しました。「意味を変えずに文法的に正しい英語に書き直すとしたらこんな感じ」と言ってくれているのだと思います。

もちろん,その直前のコメントがあるからこの意味になるのだとわかることではありますが,この「意味を変えずに文法的に正しい英語に書き直すとしたらこんな感じ」というニュアンスが,“possible rewrite”の2単語で表現できるんですから,やっぱり“possible / possibility”はすごい便利な単語じゃないですか?

たぶん,英語初級者は「意味を変えずに文法的に正しい英語に書き直すとしたら」というのをそのまま文章にしてしまいがちだと思うんです。
それがシンプルに“possible rewrite”に置き替えられるなんて感動。

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