白米だけ食べるより、油まみれのチャーハンを食べたほうが痩せるなんて!
かかりつけの糖尿病内科で昨年受けた食事指導では「脂質は血糖値を上げて,なおかつ下げにくくし,脂質をとると,血糖値が高い状態がずーっと続くことになるから控えるように。ナッツも栄養たっぷりだけど,脂質も多いから,食べるとしても控えめに」と言われました。
だから今日まで「脂質は控えめに控えめに」,「大好物のチキンキエフも我慢我慢」と言い聞かせてきたのです。
まさかそれがでたらめだったとは思わないのですが,ちまたでは,というか血糖値の世界では,脂質は血糖値の上昇を抑えるというのが今の常識なのでしょうか???
そういうネット記事をちらほら目にしていたところ,とどめに6月29日にテレビで放送されたバラエティー番組『それって!?実際どうなの課』で,白米とチャーハンのどちらを食べたほうがやせるか(体重の増加を抑えられるか)の検証をしていて,登場していた医師が,油は血糖値の上昇を緩やかにしてくれると解説しているのを見ました。
つい先日投稿したドはまり中の「とちお油揚げ」の記事で,油揚げは低糖質だが高脂質なので,がんばって油抜きをしましょう!と書いたばかりだというのに‥‥。
油揚げは事前にレンチンして,焼いた後もキッチンペーパーで油分を吸い取り,できるだけ油を切って食べていましたが,もし脂質が血糖値上昇の抑制剤となるなら,油抜きは不要どころか,むしろやらないほうがいいってことですよね。
表面カリカリなのにジューシーに感じるのは,焼き立ての熱々状態の油揚げがまとっている油のおかげです。油抜きせずに食べてOKならば,大歓迎!です。
もちろんとり過ぎは良くないのだろうと思います。
よくわかりませんが,お酒の飲みすぎはよくないけど,赤ワイン1杯程度ならむしろ体にいいって言われますよね。
あれと同じようなことが脂質と血糖値の関係にも当てはまるのでしょうか。
「血糖値は上がりにくいけど上がった分はそのまま下がらずに続く」と「血糖値は上がってしまうけど,2,3時間以内に元の数値に戻る」との違い?
仮に脂質が血糖値を上げにくくするとか,上昇率がゆるやかというのが正しい情報だったとしても,脂質が上った血糖値を下げにくくするというのは,色々な記事で言及されています(私の食事指導の先生も)。
つまり,脂質ありの食事をとって,食後血糖値は120程度に抑えられたけど,その値が6時間以上続くケースと,脂質なしの食事をして食後血糖値は200ぐらいまで上がったけど,3時間後には2桁まで下がっているケース,そのどちらがいいのかって話でしょうか(たとえ話なので数値は適当です)
そう考えると,1か月,2か月の長期的な血糖値を判断する目安となるHbA1cの値で見ると,もしかしたらやっぱり脂質なしの食事のほうがいいと出る可能性もありますよね。
これって数値の上昇率だけで良し悪しを判断できない話では? 私は専門家ではないですが、なんとなくこの話は一部分だけを見て結論を出してしまっているような気がします。
良い油・悪い油
あと,良い油と悪い油という表現もよく耳にしますので,同じ脂質でも良い油をとるというのも重要なのかもしれません。
良い油と言われているのは植物性のものですが,私のお気に入りの「とちお油揚げ」の場合,袋で確認したところ,菜種油が使われています。
これ良い油グループですよね。
これもネット記事を読みあさった結果ですが,なんだかんだでオリーブオイルが良いみたいです。
そして言うまでもなく,オメガ3(EPA、DHA)と呼ばれる青魚に含まれる魚油は積極的にとっていい脂質。サプリが色々販売されるぐらいですから,かなり良いのだろうと思います。
改めて,日本食って本当に健康的ですよね。
お肉,お魚,野菜,豆,海藻などが全部含まれていますし,魚油は加熱で流出する度合いが大きいらしく,お魚を生のままお刺身で食べる日本の習慣も健康に最適。
結局,毎日和食を食べていれば,食生活で気にすることは何もないって気がしてきます。
血糖値の計測器を持っているので,せっかくなので試してみました
結局,何を信じていいのかよくわからないし,血糖値を測定する機械も持っているので,自分自身を納得させるために,脂質に関して血糖値実験をしてみようと思い立ちました。
タケノコご飯を冷凍してあったので,とちお油揚げとそのご飯で検証したいと思います。
夕食時の比較(昼食から5時間以上経過)
(1)
①油抜きなしでトーストしたとちお油揚げ+ピーマンとニンニクの万能塩が完成!
ステーキにも焼き魚にも野菜にも、ふりかけるだけで美味しくなります”>ニンニク・ピーマン塩
②タケノコご飯(タケノコ,枝豆,干しシイタケ,昆布だし)お茶碗多めの1杯+ゴマと昆布の佃煮
③炭酸水(無味無糖)
①②③の順に食べる
(2)
①事前にレンチンしてペーパーで油をふき,トースト後に再びペーパーで油をふいたとちお油揚げ+ピーマンとニンニクの万能塩が完成!
ステーキにも焼き魚にも野菜にも、ふりかけるだけで美味しくなります”>ニンニク・ピーマン塩
②タケノコご飯(タケノコ,枝豆,干しシイタケ,昆布だし)お茶碗多めの1杯+ゴマと昆布の佃煮
③炭酸水(無味無糖)
①②③の順に食べる
数値は食事直前:食後1時間後:食後2時間後:食後3時間後の順になっています。
油抜きをしても,100%抜けるわけじゃないから,脂質をとっているのと同じと思われるかもしれませんが,私としては,油抜きせずに食べたほうがいいんだよ!という「美味しい嬉しい結論」が欲しいだけなので,油抜きした時としなかった時の違いを確認できればヨシです。
※注:記録をとった2日間の食前血糖値が全く同じタイミングを見つけるのは難しいので,10以下の違いしかない時を選んで試しました。血糖値の動きを比較するためなので,同じ数値からスタートするように,2日の食前血糖値の中間値をとって数値を調整しています。
元のオリジナルの数値はグラフの欄外に記しました。
この結果,どうでしょうか。
こんな1回だけの比較だと意味はないのかもしれませんが,明らかに油抜きしたほうが血糖値の上昇は緩やかですよね。
うーん,テレビの話と違う‥‥。
でも3時間後には逆転して,油抜きなしのほうが数値が下‥これはどう考えればいいのでしょうか,
脂質は血糖値を上げにくく,下げにくいの逆をいく結果だ‥‥。
とちお油揚げ単独で食べた時の血糖値比較も実施。驚きの結果。お豆腐の力すげえ?
意味があるかどうかわかりませんが,どうせ「とちお油揚げ」を頻繁に食べているので,単独で油抜きしたのとしてないのを食べた時の血糖値比較もしてみました。
※注:上記と同じく,スタート時の数値が同じになるように調整しています。
どうでしょう‥‥。
やっぱり明らかに油抜きしたほうが血糖値は上がらないですよね‥‥というか,ゾウリぐらいの大きさ(重量的には100gちょっとです)の油揚げを1枚ぺろっと食べたのに,油抜きをしたほうの1時間後の血糖値が食前より下がっているというのはどういうことでしょうか!
これがGI値の低いお豆腐の力なんでしょうか!
血糖値75なんて,これまで自分で測った数値の最低記録です!
この検証結果からだと,やっぱり油抜きしたほうがいいじゃないという結論になり,テレビの医師の話と違い過ぎて,もはや自分では食事の方針を決められません。どうしましょう。
最終的には「チキンキエフは積極的に食べたほうがいい」という結論にまでいきたかったのに‥‥。
お豆腐の力が入ると正しい数値を得られないかもしれないので,油揚げなしで再検証
とちお油揚げだけで終わろうかなとも思いましたが,低GIで知られるお豆腐を使ったらダメなのかもと思い直し,ワンラストチャンスで,油揚げじゃなく,ほうれん草とタケノコご飯の組み合わせで再検証してみることにしました。
油の使い方は以下の通り。
(1)ほうれん草のバター炒め(ゆでほうれん草70g,バター15g,塩こしょう)
(2)ほうれん草のナムル(ゆでほうれん草70g,ゴマ油15g,鶏ガラスープの素と塩こしょう)
(3)ほうれん草のおひたし(ゆでほうれん草70g,油なしで,味付けはしょうゆのみ)
それぞれ,上記のほうれん草と,冷凍してあったタケノコご飯お茶碗大盛り1程度,ゴマ,昆布の佃煮,炭酸水(無味無糖)を順不同で一緒に食べました。
その結果は以下の通り。
※注:上記と同じく,スタート時の数値が同じになるように調整しています。
おぉぉ,ようやくテレビの先生の言う通りの結果が出ました。
食後1時間の血糖値は,まさかの油なしのほうれん草のおひたし組が最も高いです!
バター炒め組が,上昇率がゆるやかという通説通りの結果になりました。
上昇率でいうと,ナムル組が中間ですが,食後3時間の血糖値は一番低い。
でもバターの上昇率がゆるやかだった部分だけを見て喜んではダメですよね。,
下がりにくいというのもこの結果からみて取れます。
食後3時間より後は計測していないので断言できませんが,やや高め状態がこの後も数時間続いたとしたら,バター使用を手放しで喜んではいけない気がします。
ひとまず個人的検証はここまでです。
やっておいてなんですが,やはり何回か同じ状況で血糖値測定をしないと結論は出せない気がします。
少なくとも素人の私は,結局,どうすべきか何の指針も得られませんでした。
しいていうなら,お豆腐(油揚げ)の力はきっと本物!
それにしても,うちの冷凍庫,タケノコご飯が無限に出てくるなぁ。
と思ったら,さすがに残りおにぎり1個分となりました。タケノコの季節は終わりましたが,水煮のパックを使ってもそれなりに美味しくできるので,いつでも食べられるように,また作り置きしないとーーー。
コメント