コロナ感染体験談：
あれだけ気をつけていたのに感染。
吐き気，耳鳴り，倦怠感に襲われた1週間でした

初期症状はやはりただの風邪のよう

2週間ほど前のある日の午前中，ノドのイガイガを感じ，少し咳が出ると思っていたら，夕方ぐらいには熱っぽくなり，測ったら37度2分でした。

微熱ですし，この時点ではただの風邪に違いないと思いました。
治療を求める人があふれているこの時期に，ただの風邪で病院に行くのはできるだけ避けたいと思い，自力で回復しようとすぐにバファリンを飲んで，まだ夜８時頃でしたが，お布団に入りました。

夜中に１，２度目を覚ましたものの，起き上がることはなく再び眠りに落ち，気づくと翌日，外もすっかり明るくなっていました。

ノドの痛みが昨日よりやや強くなり，熱っぽさは相変わらずで，測ったら37度5分でした。

耳鳴りと吐き気が地味に辛い

頭がぼーっとして，倦怠感というか，体のだるさ，耳鳴り，吐き気，そして大量の発汗がありましたが，テレビの報道で見た多くの人に共通する高熱でもなければ，飲み込むのが辛いほどノドが痛いわけでもありません。

突出してひどい症状はなく，おそらく他の人と比較してすべてが軽めだったのだとは思いますが，それでも起き上がっているとやはり辛く，地味に耳鳴りと吐き気にじわじわずーーっと攻撃されているような感じでした。

職場への届けもあるし，コロナなのかどうかはっきりさせなきゃという思いがありつつも，病院に出かけるとか外出する元気が出ず，もうちょっとだけ寝かせてくれ‥‥という思いで，買い置きの炭酸水だけ枕元に置いて，横になったまま２日目を過ごしました。

軽症で自宅療養だった方が亡くなったというケースがいくつか報告されていますが，この時の私のような状態で，眠ったまま結局目覚めなかったのかもしれませんね。

でも微熱で救急車を呼ぶのは気が引けるし，かといって起きて病院に行くのはしんどくて，とにかくもうちょっとこのまま寝かせてという気分でした。

今から2週間ほど前の話ですが，すでに病院の電話はまったくつながらず……

前日とまったく同じ症状のまま３日目を迎え，ようやく自分でもこれはただの風邪じゃないと思い始めました。

本来ならば出勤する日でもあったので，職場に微熱があるので病院に行くことを知らせ，病院に電話をかけ始めました。

たぶん，東京都の1日の新規感染者がまだ1万前後だった頃で，今より少しだけマシだったとは思いますが，病院，まったくつながりませんでした。

電話をかけるために起き上ったままでいるのもしんどくなって，また寝て，目が覚めたらまた電話をかけ，また寝て，を繰り返しましたが，まったくつながらず。

私より数日早く陽性となった友人から，病院探しの役に立つかもと，下記の情報を教えてもらいました。

かかりつけ医がいるならまずそこに連絡すべしと聞いたので，糖尿病でお世話になっている内科をメインに，徒歩で行ける範囲の内科病院を［診療・検査医療機関アプリ］の地図で探して，順番にかけていきましたが，まったくダメでした。

寝て起きて電話をかけてを繰り返し，19時ちょっと前に目を覚ました時にまた電話をしたら，ようやくつながりました。いつもの糖尿病内科で，受付時間は19時までだったので，本当にギリギリ滑り込んだ形です。

めちゃくちゃ不機嫌な声で，いつも見てもらっている院長先生がお出になりました。
たぶん，先生もヘトヘトなんだろうと思います。
申し訳ないと思いつつ，微熱があり，今日で３日目で，コロナ検査をお願いしたいと伝えたところ，時間的に翌日の予約になるかと思ったら，「明日はもういいっぱいだから，できるとしたら，今日の一番最後に追加するしかない」とありがたい提案をしていただき，すぐにお願いしました。

患者同士が同じ空間にいることがないように配慮し，1人が帰ったら，次の患者が病院内に入る形で，先生から電話で誘導してもらい中に入りました。

病院に入ってすぐの場所にある待合室は，非常階段のドアを開放しておけば風通しがよく，鼻の中を綿棒でぬぐうやり方の検査はそこで行われました。

結果は陽性。やっぱりかーー。

予想はしていましたが，やっぱり陽性の判定でした。
症状が出始めたのはいつか聞かれ，そこから10日間は自宅療養をするように言われました。

診察（検査）は有料，お薬は無料

どこで見たのか覚えてないのですが，コロナ関連の医療費はすべて無料だったと思い込み，手元に現金が3,000円ぐらいしかなかったけど大丈夫だろうと思って行ったら，なんと診察料（検査料？）は有料でした。2,700円ほどで，ギリギリ払えましたが，そこはクレジット払い不可の病院なので，もう少し高かったら払えなくて恥ずかしい思いをするところでした。

処方箋をもらって，提携薬局に向かい，そっちはクレジット払いOKだと知っていたので，心配していませんでしたが，なんとお薬のほうは完全に無料でした。

解熱鎮痛剤のカロナールとかは似たようなお薬を普通のドラッグストアでも買えるわけですし，お薬より，診察のほうを無料にしないと，具合悪くなっても生活が困窮している人は病院に行けないのではないでしょうか‥‥と思うのですが，どうなんでしょうか。
あっでも，診てもらうだけで治るわけじゃないから，やっぱりお薬が無料のほうがいいのか‥‥？　
まぁ，どっちも無料がいいのでしょうが‥‥。

えげつない色の巨大カプセルに入ったコロナの抗ウイルス剤。お水と一緒に飲んでも舌の上にカプセルだけが残る巨大さ

今回，おそらく全員に処方される解熱鎮痛剤のカロナール，咳やノドの炎症に効くトラネキサムやデキストロメトルファンのほかに，私はコロナが重症化しやすい基礎疾患のひとつの糖尿病があるため，特例承認医薬品 モルヌピラビル（ラゲブリオ）という抗ウイルス剤も処方されました。

たぶん，まだ新しい類のお薬で飲みやすくなっていないのだと思われますが，写真を見てください，なかなかの巨大カプセルで，色もえげつないです。

測らずに飲み切ってしまって厳密にはわかりませんが，たぶん長さは2cm以上あったと思います。
こんなド派手な色にする必要はないと思うのですが，他のお薬としっかり区別して，特別に処方されているとわかるようにしてあるのかもしれません。

この巨大カプセルは，朝晩の1日2回ですが，1回に4錠も飲まなくてはなりません。
とはいえもう大人ですから，飲むのに苦労するとは思っていませんでしたが，カプセルを口に含んでお水をくいっと飲み込んだから，お水だけが飲みこまれて，舌の上にカプセルがまんま残るという経験を久しぶりにしました。
それも1回や2回ではなく何回も。こんなこと小学校の時以来です。
結局，はじめからカプセルをノドの奥に少し差し込むぐらいの位置に置いてからお水を飲むというやり方で，飲み切りました。

食配の手配

病院で自宅療養者のための食配サービスに関する説明書をもらい，国（東京都だったかも）がやっているのと，住んでいる市（私は23区外に住んでいます）がやっているのと2種類手配できるとわかりました。

病院が陽性の報告を必要機関に連絡してくれているので，病院に行った翌日には保健所からガイダンスや手続きのショートメールがたて続けに入り，その中に食配の申し込みもあったので，国（東京都？）のほうはそこから申し込みを完了。

食配は１人暮らしなど自分で食料を入手できない人が優先。陽性患者本人は絶対に外出してはいけません！

もう１つの市が準備してくれる食配サービスには電話での申し込みが必要でした。
さっそく電話をかけ，病院で陽性だと言われ，食配サービスをお願したくて電話したことを告げたら，急激に陽性患者が増えたこともあり，現在は全員に自動的に配るのが難しい状況であること，家族とか食材を代わりに入手してくれる人がいるなら，そうしてもらいたいことなど，思い切りネガティブに「誰にでもお配りしているわけではない」話から始まったので，ついうっかり私は自分の立場を忘れ，「１人暮らしですが，買い物に行けないほど症状がひどいわけじゃないので，私はサービスを受けなくても大丈夫です！」と，私は辞退しますので重症の方に回してください的な，私は思慮深いいい人です的なノリでお話ししてしまいました。

その瞬間，はっと息をのむ音が聞こえたかと思ったら，たぶん私がそのまま電話を切ろうとしていると思って焦ったのだと思いますが，ものすごい早口で「陽性判定を受けたご本人様でおられますか？」と聞かれ，そうだと答えると「症状にかかわらず，ご本人様は絶対に外出をお控えください」と言われました。

そこでようやく自分の発言にハッとして，私は何をのんきに買い物に出かけようとしていたんだ！，ダメじゃない私，誰とも接触せずに家でじっとしてなきゃダメなやつじゃないと自覚しました。

市の食配はおよそ3日分，国（東京都？）のほうはおよそ7日分という設定のようです。

内容は次の写真をご覧ください。

ご飯，おかゆ，レトルトのカレーや丼の素，缶詰，スポーツドリンク，野菜ジュース，ゼリー飲料，フリーズドライのお味噌汁の素，つゆの素，乾麺，などなど。

しかしながら，最初の数日は食欲が全くなく，ご飯や麺は食べる気がしなくて，キュウリとかトマトとか水分が多い野菜が恋しくて，もらった食配の中では普段はあまり飲まない野菜ジュースが一番嬉しかったです。
食欲はないけど，胃がからっぽの状態で大量のお薬を飲むのはダメだろうと思い，野菜ジュースだけは積極的に飲みました。

味覚・嗅覚ですが，私はそこまでひどくなかったみたいで，甘い，しょっぱいの区別は完全につくけど，美味しいかどうかはわからない状態が数日続きました。

3日目には熱は完全に36度台に戻ったが，耳鳴りと吐き気がその後１週間続く

普段の風邪なら，熱さえ下がれば，咳やノドの痛みが多少残っていても大丈夫だと思いますが，今回のコロナは，熱はすぐ下がったのに，病院で出してもらったお薬を飲み始めても，耳鳴りと吐き気は止まらず，症状的には2日目となんら変わらない状態がそのまま1週間ぐらい続きました。

起き上がっているとしんどくて，結局すぐにまた横になって，寝汗でしぼれそうなほど湿ったお布団を干すためだけに，また２，３時間起きて，またそれを敷いて再び寝てを続けました。
なんだかんだで地味に続く耳鳴りと吐き気と倦怠感，これが意外に本当にしんどかったです。

1人暮らしだからなのか、保健所の方にはたくさん気遣っていただきました

前述の通り，コロナ陽性判定を受けた翌日には，管轄の保健所からたて続けにテキストメッセージが届きました。毎日の健康状態を知らせるMyHERSYSの登録やら，何かあったときのガイダンスとか連絡先とか，もろもろ。

正直，ほぼ寝たきりだった最初の数日は，長いテキストを読むのも大変だし，登録とかする元気もないし，「元気になったらやるから！」という思いでいっぱいでした。
でも死んでるかもと思われたら大変なので，MyHERSYSの登録だけは初日に済ませました。

担当保健所が違う友人と後で話してわかったのですが，管轄の保健所が違うからか，友人は家族と同居で，私は一人暮らしという違いがあるからか，友人より私のほうがずいぶんと気遣っていただいたように思います。

私の場合，毎日保健所からMyHERSYSに今日の健康状態を入力してくださいとテキストメッセージが午前中に届き，ある日，たまたま寝てしまっていて，そのまま午後まで入力せずにいたら，本日分のご入力がないようですが，どうかされましたかと保健所からお電話をいただきました。

病院の２，３日後だったかと思いますが，保健所が手配した看護師さんからもお電話をいただき，どんなお薬が処方されたかとか，その時の症状とか確認されました。

また別の日は，コロナの細かな症状を記録として残した方が，今後の医療に役立つかもと思い，それまでは設問にYES/NOで答えるだけだったのに，備考欄に「症状は重くはないが，ずっと続いている吐き気と耳鳴りが地味にしんどい」と入力したら，2時間後ぐらいに「しんどいとご入力されていたので，ご様子をうかがいたくて」と保健所からお電話をいただきました。
初日からずっと続いている症状だったのに，急にそれを入力したので，その日になって具合が悪くなったと思われたようでした。

おそらくとてつもなくお忙しい保健所の方に，こんなことでお手を煩わせてはいけないと，この時はものすごく反省しました。
それ以降は10日間の自宅療養が終わるまで，MyHERSYSにはお知らせを受け取ったらすぐに入力し，誤解をまねきかねない表現は避けるようにしました。

10日目の朝，保健所からは規定の自宅療養期間がその日で終了になることや，MyHERSYSの入力もその日までで，引き続き具合が悪い場合の連絡先とかを記載したメッセージを受け取りました。

今思っても，入力してくださいというリンク先を記したお知らせメールが毎日届いていなかったら，MyHERSYSへの入力を忘れる日があったと思います。

友人の管轄の保健所からは何も連絡がなかったらしい

先に書いた友人のほうですが，MyHERSYSに登録依頼のメッセージは最初にあったけど，本日分を入力してくださいという毎日のメッセージはなかったし，２，３日入力しなかった日もあるけど，保健所から1回も電話はなかったというのです。
もちろん今日で自宅療養は終了ですというお知らせもなかったそうです。

全然対応が違っていてびっくりです。
おそらく私が一人暮らしだからというのが大きいのかもですね。

自宅療養最後の3日間で急激に回復

1週間ぐらい具合が悪い状態が続いた時，もしかして自宅療養期間が過ぎてもこれが続き，これこそが俗に言う「後遺症」というものなんだろうか‥‥と不安でいっぱいでした。

でも1週間が過ぎた頃に，テレビの音が澄んだ音で聞き取れることに気づきました。実は耳鳴りが続いていた時は耳に膜がはったようで，テレビの音量も普段より大きくしないと聞き取れなかったのです。それがコロナ前の音量で普通に聞けるようになっていたのです。

それでも起き上がってずっと座っていると，やはり吐き気があって，倦怠感もあったので，またすぐにお布団に入っていたのですが，耳鳴りの終わった翌日には体のほうもすっきりしてきた感じがあり，自宅療養最終日には，全然しんどくない，もう大丈夫かもと実感できるようになりました。

‥‥という流れで，自宅療養の最後の3日間で急激に回復を遂げました。
今はまったく問題なく，何の後遺症も感じず，完全復活できたと思っております。

というわけで，私のコロナ体験談でした。ご参考になれば幸いです。
長々と失礼いたしました。

私はご家族とお暮しの方よりたぶん感染のリスクは低く，普段からマスクと手洗いは念入りにし，外食や友達と会うのも控えていたので，正直，どうして感染したのか全くわかりません。
それでも仕事のために毎日電車にも乗りますし，外には出るので，やはり感染する時にはしてしまうのです。

どうぞ皆様も十分にお気をつけて，万が一のために，多少の現金は手元に準備しておき，野菜ジュースも買い置きしておいてください。